昨年10月29日に中部電力株式会社が経済産業省に電気料金の値上げ認可申請を行いました。
電気は消費者のくらしにはなくてはならないものであり、三重県生活協同組合連合会は、2月6日に今回の値上げ認可申請に対する意見を中部電力株式会社に提出しました。提出した意見は以下の通りです。
2014年2月6日
中部電力株式会社 御中
中部電力株式会社による電気料金値上げ認可申請に関する意見
三重県生活協同組合連合会理事会
2014年4月に消費税が現行の5%から8%に増税されることに決まり、地域経済や国民生活は厳しさを増すことが予想されます。今回の電気料金の値上げは、さらに国民生活に大きな影響を与えるものです。私たち消費者の生活は電気なしにはやっていけません。また、消費者は、電力会社を選ぶことができず、必ず負担しなければなりません。今回の電気料金の値上げは、家計への負担を増し、消費者に厳しい生活をさらに強いることであり、納得することはできません。
1.燃料費の低減をすすめてください。
火力発電における燃料費の増大が今回の値上げの大きな理由になっています。原子力発電以外のエネルギーによる電力をいかに低廉に提供するかが、現在の電気事業者に問われています。安く燃料を購入できるように交渉を進めることが必要です。燃料費の安い石炭発電の効率化を図ることや、燃料費の価格を抑えるようとりくんでください。
2.営業効率化、コスト削減をすすめてください。
今回の値上げは地域の消費者、事業者に否応なく負担を強いるものです。また、総括原価方式により市場競争の影響を受けずに人件費等のコストを確保できるという特殊性は、厳しい経済情勢の中、一般企業で働く消費者から見れば不当に優遇されているとも言えるものです。中部電力においては、燃料費、人件費、設備投資費、修繕費、団体費、広報費等あらゆる支出について、徹底的な経営効率化・コスト削減にとりくんでください。
3.電気料金の値上げ申請認可の方法をはじめ、現在の電力制度について改革をすすめてください。
現状の総括原価方式は、コスト削減の努力が行われにくいといった問題を抱えている仕組みです。電力会社が過度な利益を得ることなく、コスト削減を促進する料金制度についての研究を進め、現行の総括原価方式をできるだけ早期に見直す必要があります。
消費者基本法の定める消費者の権利が守られるべきです。知る権利、選べる権利等を保障し、現状の地域独占的な供給を改善すべきです。
4.資産売却等は公開し、必要性の低い遊休資産は売却をすすめてください。
不動産や株式等の資産は、原価に直接関わるものではありませんが、収益に影響するものですから、消費者の納得を得るためには、売却したものを示すだけでなく保有しているものも含めてすべての情報を公開することが必要です。その際には、子会社、関連会社を含めた情報を公開してください。その上で、電力事業との関係で必要性の低い遊休資産は売却をお願いします。
5.原子力発電に頼らないエネルギー政策へ転換をすすめてください。
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、その被害の甚大さ、収束の困難さ、莫大な経済的損失から原子力発電と人類は共存できないことを明らかにし、日本の電力とエネルギー政策のあり方について根本的な見直しを迫るものとなりました。
こうした状況をふまえて、原子力発電に頼らないエネルギー政策への転換に踏み出すべきです。浜岡3・4号機の稼動を前提とした計画は、見直すべきです。
以上